複数年契約は人間を堕落させる。契約システムを見直すべき/廣岡達朗コラム
お金の値打ちがまるで感じられない
複数年契約をすると人間は堕落する、というのが私の考えだ。
この考えがどこから来ているかというと、私は1988年から「日米ベースボールサミット」と称する野球の勉強会を日本で3回にわたって開催した。メジャーの球団関係者や元監督も多数招いた。そのときに、アメリカ側から「日本は複数年契約はやるべきではない」と真剣な表情で言われた。
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広岡氏の言っていることはよくわかります。
が、複数年契約が選手を堕落させるとは思えません。
この記事を読むと「複数年契約で毎年年俸が保証される安心感で緊張感が生まれずに結果がでなくなる」と言っているような文章になっています。
これは私は違うと思います。
結果が出ないのは複数年契約の安心感が問題ではなく、加齢による能力の低下と相手チームの研究の成果です。
20歳代前半から複数年契約なら契約中は体力的にも技術的にも右肩上がりでしょう。
ただ日本の複数年契約は基本FAが絡みますから早くても28.9歳からの複数年です。
当然契約中に体力も動体視力も落ちていくし、若い優秀な選手もどんどん出てきます。
全盛期の成績を残すのは至難です。
記事の中にでてきた柳田選手の場合、
2019年オフ、3年契約の3年目となる予定だった翌年から新たに7年契約を結び直した。最初の4年間は現在の契約を延長し、年俸変動制で下がることはなく、4年終了後に残り3年分の契約内容を見直す
Wikipedia
ラスト3年は年俸が変動しますが、35歳までは現状より下がることはないようです。
これは、実力以外に人気、人間性(引退後も考えて)を球団が評価しているからでしょう。
全盛期の成績を期待しての複数年契約ではありません。
広岡氏がアメリカのような複数年契約を望むなら、まずFAの期間から見直すべきです。
それに、複数年契約は各球団の自由であって、特定の球団以外は極端な複数年契約をしていないと思いますし、下の記事のように、そもそも複数年契約のかたちも変わってきています。